JMECCとは?内科専攻医が受講すべき理由と申込方法【2026年版】
JMECC(日本内科学会認定内科救急・ICLS講習会)の概要・申込方法・当日の流れを解説。内科専門研修の修了要件であるJMECCの受講料・持ち物・注意点まで網羅。
「JMECCって何をやるの?」「いつ受講すればいい?」「申し込みはどうするの?」
内科専攻医にとってJMECCはJ-OSLER修了要件の1つ であり、受講しなければ内科専門医試験を受験できません。この記事では、JMECCの概要から申込方法、当日の流れ、受講タイミングの最適解まで、専攻医が知っておくべき情報をすべて解説します。
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JMECCとは
JMECC(ジェイメック)は、Japanese Medical Emergency Care Course の略称で、正式名称は「日本内科学会認定内科救急・ICLS講習会」です。日本内科学会が主催する** 内科医向けの救急講習会**で、日本救急医学会のICLS(Immediate Cardiac Life Support)講習会を基盤としています。
JMECCの目的は、救急医療に接する機会が少ない内科医が、心停止だけでなく緊急を要する急病患者にも対応できるようになること です。2009年から開催が始まり、2013年以降は全国の施設でも開催されるようになりました。
なぜJMECCが修了要件なのか
内科専門研修プログラム整備基準には、「プログラムに所属する全専攻医にJMECC受講の機会を与え、専攻医に受講を義務付ける」と記載されています。内科医といえども救急対応は避けて通れません。当直や急変対応で適切に動けるよう、シミュレーション教育を通じて実践力を身につけることが求められています。
重要な注意点として、ICLS・ACLS・BLSなどの他の救急蘇生講習会ではJ-OSLERの修了要件を満たせません。 必ずJMECCを受講する必要があります。
JMECCの受講資格と費用
JMECCには2種類の開催形態があります。
日本内科学会本会主催コース(東京・日内会館) は、日本内科学会の会員であることが申込条件です。原則として文京区の日内会館で開催されます。
外部開催コース(全国各地の施設) は、特に受講資格の規定がなく、開催ディレクターの裁量で決定されます。多くの場合、研修プログラムの基幹施設が自施設の専攻医向けに開催しています。外部開催コースの情報はJMECC全国開催予定ページで確認できます。
受講料は30,000円(税込) です(本会主催コースの場合)。外部開催コースの受講料は施設によって異なります。領収書は発行されず、振込控えをもって代替となります。
事前に購入が必要なテキスト
受講前に以下の2冊を購入し、当日持参する必要があります。
- 「内科救急診療指針2022」(日本内科学会/総合医学社)
- 「ICLSコースガイドブック 第5版」(日本救急医学会/羊土社)
これらはJMECCの必須テキストです。「内科救急診療指針2022」は定価税別10,000円で、テキストとしてだけでなく内科当直のリファレンスとしても活用できます。
JMECCのプログラム|当日の流れ
JMECCは1日で完結する講習会 です。集合時刻は8:45、コース開始は8:50、終了は17:45で、原則として遅刻・早退は認められません(天災・公共交通機関の遅延を除く)。
午前:心停止への対応(ICLS部分)
午前中はICLS講習会に準じたプログラムです。BLS(一次救命処置)とAEDの使用法を復習した後、気管挿管、除細動、薬剤投与といった二次救命処置をシミュレーターで実践します。心電図モニターの波形判読(VF/VT、PEA、Asystole)を行い、チーム蘇生を繰り返し練習します。
午後:内科救急シミュレーション
午後はJMECC独自の内科救急プログラムです。胸痛、呼吸困難、意識障害など、内科当直で実際に遭遇する緊急症候を想定したシミュレーション学習を行います。患者の初期評価から鑑別診断、検査オーダー、治療開始までの一連の流れをチームで実践し、さらに急変して心停止に移行した場合の対応も学びます。
運動量が多いので、動きやすい服装 で参加してください。昼食は持参が推奨されています。
筆記試験
講習の最後に確認テストがあります。講習内容を真面目に受講していれば問題なく通過できるレベルです。すべてのプログラムに参加した受講者には修了証が発行され、ICLS実績としても認定されます。
JMECC申し込みの流れ
方法1:基幹施設開催のコースに参加する(推奨)
多くの専攻医は、研修プログラムの基幹施設が主催するJMECC に参加します。プログラム整備基準により、基幹施設は専攻医にJMECC受講の機会を提供する義務があるため、まずはプログラム責任者や指導医に開催予定を確認しましょう。施設内での開催なら日程調整がしやすく、受講料も施設負担になるケースがあります。
方法2:日本内科学会本会主催コースに申し込む
東京・日内会館で開催される本会主催コースは、JMECC受講申込フォームから申し込めます。日本内科学会会員であることが条件です。未受講者が優先 されるため、初回受講であれば比較的当選しやすいです。応募者多数の場合は抽選となり、結果はメールで通知されます。
2026年の本会主催コースは3月・5月・6月に予定されています(1月・4月・7月・8月・12月は開催なし)。
方法3:他施設の公募コースに応募する
JMECC全国開催予定ページで「公募:有」となっているコースには、外部からも応募できます。公募状況と連絡先を確認し、直接開催施設に申し込みます。
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JMECCの受講タイミング|いつ受講すべきか
結論から言えば、専攻医2年目までに受講するのがベスト です。
3年目に入ると病歴要約の追い込みや試験対策で多忙になるため、余裕のある1〜2年目のうちに済ませておきましょう。年間の開催回数には限りがあり、特に本会主催コースは抽選になることも多いため、早めにアクションを起こすことが大切です。
プログラム参加前の受講も認められる
初期研修中にJMECCを受講していた場合、その実績は専攻医プログラムの修了要件として認められます。ただし、医学部生時代の受講は認められません。受講時の内科学会入会歴は問いません。
修了証に有効期限はない
JMECCの修了証には有効期限が設けられていません。一度受講すれば、いつ内科専門医試験を受験しても有効です。
COVID-19に伴う猶予措置
COVID-19の影響でJMECCが中止になった時期があり、「修了見込」の状態で内科専門医試験を受験した専攻医に対しては、専門医資格の初回更新までにJMECCを受講すればよい という猶予措置が設けられています(実質5年6ヶ月の猶予)。対象は1〜6期生(2018〜2023年度研修開始)です。7期生以降は通常通りJMECC受講が修了要件です。
JMECC当日の持ち物・注意点チェックリスト
受講が決まったら、以下を確認してください。
- 「内科救急診療指針2022」を購入し、事前に一読した
- 「ICLSコースガイドブック 第5版」を購入し、事前に一読した
- 体調管理チェックシートをダウンロード・記入した(未提出だと参加不可の場合あり)
- 動きやすい服装を準備した(実技講習は運動量が多い)
- 昼食を持参する準備をした(休憩時間が短い)
- 当日の遅刻に注意(9:30までに到着できない場合、実績として認められない)
- キャンセルする場合は早めに連絡(無断欠席は次回以降の受講不可)
- 受講料の振込控えを保管した(領収書は発行されない)
JMECCとICLS・ACLSの違い
「ICLSを受講済みだからJMECCは不要では?」という疑問をよく聞きますが、JMECCでなければJ-OSLERの修了要件は満たせません。 それぞれの違いを整理します。
JMECCはICLS認定コースであるため、JMECCを受講すればICLS実績にもなります。逆に、ICLSだけではJMECCの実績にはなりません。JMECCが午前のICLS部分に加えて午後に内科救急シミュレーションを行うのが最大の違いです。
よくある失敗パターン
❌ 「ICLSを受けたからJMECCは免除」と思い込む
ICLS受講経験があっても、JMECCは別途受講しなければなりません。修了認定の申請直前に気づいて焦るケースが毎年一定数います。ICLS・ACLS・BLSはいずれもJMECCの代替にならない という点は、専攻医1年目のうちに確認しておきましょう。
❌ 「3年目に余裕ができてから」と先送りにする
専攻医3年目の2〜3月は病歴要約の追い込みと専門医試験の勉強が重なり、JMECCの予約を取る余裕がなくなります。基幹施設の開催は年1〜2回程度なので、3年目のスケジュールが埋まる前に受講枠を確保 するのが鉄則です。
❌ 基幹施設の案内を「待つだけ」にして機会を逃す
プログラム責任者からの案内を待っているうちに、定員が埋まっていたというケースがあります。自分から指導医やプログラム責任者に開催予定を確認 しましょう。基幹施設で開催されない場合は、本会主催コースや全国公募コースを自分で調べる必要があります。
まとめ|JMECCを効率的にクリアするポイント
JMECCは内科専門研修の修了要件であり、受講なしに内科専門医にはなれません。押さえるべきポイントを整理します。
- JMECCはICLSベースの内科救急講習会 で、J-OSLER修了要件の1つ
- ICLS・ACLSでは代替できない。必ずJMECCを受講する
- 受講料30,000円(税込)、テキスト2冊の事前購入が必要
- 専攻医2年目までの受講 がおすすめ。3年目は多忙
- 基幹施設開催のコースが最もスムーズ。まずはプログラム責任者に確認
- 修了証に有効期限はなく、初期研修中の受講(医学部生除く)も認められる
具体的な申し込み手順と2026年の開催スケジュールはJMECC申し込み方法と開催スケジュールで詳しく解説しています。J-OSLERの修了要件全体についてはJ-OSLER修了要件を完全解説で、全体像の把握にはJ-OSLERとは?全体像を徹底解説を参照してください。進捗管理の方法はJ-OSLER進捗管理の方法で、チェックリストはJ-OSLERチェックリストで解説しています。
よくある質問
JMECCに落ちることはありますか?
JMECCは「落とすための試験」ではなく「学ぶための講習会」です。すべてのプログラムに参加し、最後の筆記試験で講習内容の基本が確認できれば修了証が発行されます。真面目に1日参加していれば落ちることはまずありません。ただし、遅刻(9:30以降の到着)や早退、無断欠席があると実績として認められないため、時間厳守で臨んでください。
JMECCはいつまでに受講すればよいですか?
J-OSLERの修了認定を申請する時点で受講済みである必要があります。通常は専攻医3年目の秋〜冬に修了認定を行うため、遅くとも3年目の前半までには受講しましょう。ただし、年間の開催回数には限りがあるため、2年目までに済ませておくのが安心です。基幹施設の開催は年1〜2回程度が多いので、スケジュールを早めに確認してください。
JMECCの受講料は自己負担ですか?
施設によって異なります。基幹施設が開催するJMECCでは受講料が施設負担(無料)になるケースもあれば、自己負担のケースもあります。テキスト代は通常自己負担です。プログラム責任者または事務局に確認してください。
ICLSインストラクター資格があればJMECCは免除されますか?
免除されません。ICLSインストラクター資格の有無にかかわらず、JMECCの受講は必須です。ただし、ICLSインストラクター資格保持者は、JMECCのインストラクター側として参加する道もあります。
他施設のJMECCに参加してもよいですか?
可能です。自施設でJMECCが開催されない場合、JMECC全国開催予定ページで公募しているコースに応募するか、日本内科学会本会主催コース(東京)に申し込むことができます。プログラム責任者に相談のうえ、受講機会を確保してください。