内科専攻医の必須講習会|医療倫理・医療安全・感染制御の受け方
J-OSLER修了要件の必須講習会(医療倫理・医療安全・感染制御)の種類・受け方・e-Learningの活用法・J-OSLER登録手順を解説。3年間で6回以上が目標。
3年目の3月。修了申請の書類を確認していたら、必須講習会の受講回数が4回しかなかった——こんな気づきは、修了認定を逃す典型的なパターンです。必須講習会は症例登録や病歴要約ほど意識されないため、3年間で6回以上 という要件が最終盤まで盲点になりやすい。この記事では、どんな研修が認められるか・e-Learningの活用法・J-OSLERへの登録手順まで体系的に解説します。
iworのダッシュボードなら、JMECC受講状況・必須講習会・学術活動など、修了要件の進捗をすべて一元管理できます。「まだ2回しか受けていなかった」という気づきを早めることで、3年間を計画的に過ごせます。
必須講習会とはどういう要件か
J-OSLER修了要件における「必須講習会」とは、医療倫理・医療安全・感染制御に関する研修・講習会を指します。専攻医は、この3つの分野のいずれかの組み合わせで 年2回以上、3年間で計6回以上 受講することが求められています。
「6回すべて異なる分野である必要はない」という点は見落とされがちです。医療安全を3年間毎年2回受講する、という方法でも要件を満たせます。ただし、3分野それぞれを一度は経験しておくことで、広く医師としての倫理観・安全意識・感染対策の知識を養うことが望ましいとされています。
院内講習会の活用法
内科専攻医が最も受けやすいのは、勤務先の 院内講習会 です。多くの病院では医療倫理・医療安全・感染制御に関する研修が年に複数回開催されており、これがJ-OSLERの必須講習会として認められます。
「院内研修で要件が満たせる」と知らずに外部の講習会を探し回っている専攻医は少なくありません。まず施設の教育研修担当者に「J-OSLERの必須講習会として認められる院内研修はありますか?」と確認するのが最初のステップです。
注意すべきは、院内研修がJ-OSLERの要件として認められるかどうかはプログラムによって異なる ことです。「参加したのに後から認められないと言われた」というケースもあるため、受講前にプログラム統括責任者への確認を強くおすすめします。年度末にまとめて確認しようとすると、取り返しがつかない状況になることがあります。
iworのダッシュボードでは必須講習会の受講状況を記録・管理でき、「今年まだ何回受けていないか」が一目でわかります。
内科学会のe-Learningを活用する
院内研修だけでは不足する場合や、年度末に回数が足りないと気づいた場合の救済手段が、日本内科学会のe-Learning講座(内科学会オンデマンド:bfd.naikaondemand.jp)です。
医療倫理・医療安全・感染制御に対応したコースが複数用意されており、1講座あたり 2,200円(税込) で自宅・スマホから受講できます。受講時間は30分〜1時間程度のものが多く、当直明けや休日の空き時間に完結できます。3年目の後半に「あと2回足りない」と気づいても、e-Learningなら1〜2日で解決できる点は大きなメリットです。
e-Learning受講後に必ずやること
受講証明書(修了証)はPDFでその場で保存してください。取得直後にJ-OSLERへ登録まで完了させるのが最も確実です。「証明書の保存だけして登録を後回しにしていたら、ファイルを紛失した」というトラブルは頻繁に発生します。
学会・生涯教育講演会での受講
内科学会の生涯教育講演会も、内容によっては必須講習会として認められる場合があります。年次集会(日本内科学会学術講演会)では、倫理や医療安全に関するセッションに参加するだけで受講実績として計上できる可能性 があり、「学会参加ついでに講習会要件を一つ満たす」という効率的な方法が取れます。
ただし、どのセッションが要件として認められるかはプログラムによって異なります。年次集会参加後に統括責任者へ確認するか、事前にプログラムのルールを確認しておくことが重要です。
J-OSLERへの登録手順
講習会を受講しても、J-OSLERに記録しなければ要件としてカウントされません。「受けた」だけでは不十分で、「登録した」まで完了させる必要があります。
J-OSLERの「講習会・研修」メニューから登録します。入力項目は講座名・受講日・分野(倫理/安全/感染制御)・主催者名などです。証明書(修了証・受講証明)を添付できる場合は添付し、原本は手元に保管しておきましょう。
登録後は統括責任者の確認が必要なプログラムがあります。承認待ちのまま修了申請期限を超えないよう、登録したらすぐに担当者への連絡も済ませる のが安全です。
よくある失敗パターン3つ
パターン1:院内研修を受けても登録していない
最も多いケースです。「院内の義務研修を受けたから自動的にカウントされるはず」という誤解が原因です。J-OSLERへの登録は完全に手動で、受講しただけでは何も記録されません。毎回受講直後にJ-OSLERを開く習慣を最初の1年目から身につけることが、3年後の修了申請をスムーズにする唯一の方法です。
パターン2:「どんな研修でもカウントできる」思い込み
院内研修なら何でも認められると思い込んでいるケースです。プログラムによっては、J-OSLER要件として認められる研修の種類を独自に定めている ことがあります。「3年間受けてきた研修が、実は1回もカウントされていなかった」という最悪の事態を防ぐために、年度初めに一度プログラム統括責任者に確認しておくことを強くすすめます。
パターン3:年度末にまとめて受けようとする
「まだ時間があるから後で」という先送りが招くパターンです。年度末のe-Learning受講は物理的には可能ですが、修了申請の締め切り(1月〜3月)と重なると焦りが増します。特に3年目の1〜3月は病歴要約の差し戻し対応や修了申請書類の準備も重なるため、必須講習会は早めに前倒しで消化 しておくのが賢明です。
3年間の計画的な受け方
1年目は「院内義務研修を把握する」ことが最優先 です。多くの病院では全職員対象の安全研修や感染対策研修が年に複数回開催されています。年度初めに教育研修担当者へ「J-OSLER要件に使える研修のスケジュール」を確認し、カレンダーに入れてしまいましょう。
2年目は院内研修 + e-Learningの組み合わせで計4回(累計)を目指します。J-OSLERの講習会メニューで累計回数を確認し、不足が見えたら早めにe-Learningで補います。
3年目は10〜12月には6回到達を完了させる のが理想です。修了申請(1〜3月)と病歴要約の差し戻し対応が同時進行する時期に、講習会の不足まで抱えると精神的な負担が増します。
「まだ間に合うか不安」という方は間に合わないときの巻き返し戦略も参考にしてください。
よくある質問(FAQ)
Q. 院内の義務研修は自動的にJ-OSLERの要件になりますか?
なりません。院内研修を受講しても、J-OSLERへの登録を自分で行わなければ要件としてカウントされません。また「院内義務研修がJ-OSLERの要件として認められるかどうか」はプログラムによって異なるため、事前に統括責任者に確認しておくことをおすすめします。
Q. 3分野すべてをそれぞれ2回ずつ受ける必要がありますか?
いいえ、必須ではありません。「医療安全を6回受講した」でも要件上は問題ありません。ただし、プログラムや施設によって3分野の受講を推奨している場合があるため、統括責任者に確認してください。
Q. オンラインセミナー(Zoom等)の受講は認められますか?
内科学会が公認しているe-Learning講座(bfd.naikaondemand.jp)は要件として認められます。その他の外部オンラインセミナーについては、施設・プログラムによって判断が異なります。個別に確認が必要です。
Q. 修了間近に「まだ4回しか受けていない」と気づいた場合は?
e-Learningを活用すれば短期間での受講が可能です。1講座2,200円(税込)で自宅から受講でき、2回分であれば1〜2日で受講を終えることも可能です。ただし登録後に統括責任者の確認が必要なプログラムでは、承認に時間がかかることもあるため、修了申請の締め切りから逆算して余裕を持って対応してください。
まとめ
必須講習会は症例登録や病歴要約ほど緊急感がない分、3年後に発覚しやすい落とし穴です。
- 年2回×3年間で計6回以上(J-OSLER修了要件)
- 院内研修 → J-OSLER登録 は受講当日に完結させる習慣を持つ
- 不足が出たらe-Learning(2,200円/講座)で即補完できる
- 3年目10〜12月には6回到達 を目標に前倒しで進める
修了要件全体の確認はJ-OSLERチェックリストで、進捗管理の方法はJ-OSLER進捗管理の方法で詳しく解説しています。JMECCの申し込みや概要についてはJMECCとは?も参照してください。