Wells DVT スコア
Wells Score for DVT
深部静脈血栓症の臨床的確率評価。
入力
Wells DVT スコア
低リスク — DVT確率 約5%
検査前確率: Wells PS, et al. Lancet 1997; PMID: 9428249
📋 2段階モデル(Dichotomous)
DVT unlikely(≤1点)— D-dimer検査で除外可能
⚡ 推奨アクション
D-dimer検査を施行。陰性ならDVTを除外可能。
⚠️ 医療上の免責事項
本ツールは医療従事者の臨床判断を補助する目的で提供しています。 診断・治療の最終判断は必ず担当医が行ってください。 計算結果の正確性について保証するものではありません。
Wells DVTスコアとは
Wells DVTスコアは、深部静脈血栓症(Deep Vein Thrombosis: DVT)の臨床的検査前確率を評価するスコアです。 1997年にWellsらがLancet誌で発表し、現在も静脈血栓塞栓症(VTE)の診断アルゴリズムの中核を成しています。 10項目の臨床所見・病歴からスコアを算出し、D-dimer検査や下肢静脈エコーの適応を判断します。
評価モデル
3段階モデル(Traditional)
≤0点: 低リスク(DVT確率 約5%)、1-2点: 中リスク(約17%)、≥3点: 高リスク(約53%)
2段階モデル(Dichotomous)— 推奨
≤1点: DVT unlikely → D-dimer施行。陰性ならDVT除外。≥2点: DVT likely → 下肢静脈エコー直接施行。
診断アルゴリズム
1. Wells DVTスコアを評価
2. DVT unlikely(≤1点)→ D-dimer検査
→ D-dimer 陰性 → DVT除外
→ D-dimer 陽性 → 下肢静脈エコー
3. DVT likely(≥2点)→ 下肢静脈エコー直接施行
→ 陽性 → 抗凝固療法開始
→ 陰性 → D-dimer施行 or 1週後再検
Wells PE スコアとの違い
Wells DVTスコアは下肢DVTの診断に特化しています。肺塞栓症(PE)が疑われる場合は Wells PEスコアを使用してください。DVTとPEは静脈血栓塞栓症(VTE)として連続した病態であり、 DVT確認後はPEの合併についても評価が必要です。
注意点
「DVT以外の診断の可能性が同等以上」(-2点)は主観的評価を含みます。蜂窩織炎、Baker嚢腫破裂、筋損傷、リンパ浮腫、表在性血栓性静脈炎などが鑑別に挙がります。
上肢DVTには適用できません。上肢DVTが疑われる場合はエコー検査を直接施行してください。
入院患者や術後患者では感度が低下する可能性があり、臨床的疑いが強ければスコアに関わらずエコー検査を施行してください。
よくある質問
Q. 腓腹部の左右差はどこで測定しますか?
脛骨粗面の10cm下方で、両側の腓腹部周囲長を測定します。 患側が健側より3cm以上大きい場合に陽性と判定します。
Q. 両側のDVTが疑われる場合は?
Wells DVTスコアは片側性DVTの評価を前提としています。 両側の症状がある場合、より症状の強い側で評価してください。 ただし両側性DVTはIVC(下大静脈)血栓やMay-Thurner症候群など特殊な病態を示唆する場合があります。
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参考文献
- Wells PS, et al. Value of assessment of pretest probability of deep-vein thrombosis in clinical management. Lancet. 1997;350(9094):1795-1798. PMID: 9428249
- Wells PS, et al. Evaluation of D-dimer in the diagnosis of suspected deep-vein thrombosis. N Engl J Med. 2003;349(13):1227-1235. PMID: 14507948
- Defined approach to DVT rule out. Ann Intern Med. 2004;140(8):589-602. PMID: 15096330
- Defined clinical practice guideline: Diagnosis and management of DVT. J Thromb Haemost. 2018;16(7):1291-1303. PMID: 29709513