A-DROP
A-DROP Score
日本呼吸器学会の市中肺炎重症度分類。日本のガイドライン準拠。
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A-DROP スコア
軽症群(軽症)— 30日死亡率 2.3%
30日死亡率: Miyashita N, et al. Intern Med 2006; PMID: 16595999
✅ 推奨マネジメント(日本呼吸器学会ガイドライン)
外来治療
⚠️ 医療上の免責事項
本ツールは医療従事者の臨床判断を補助する目的で提供しています。 診断・治療の最終判断は必ず担当医が行ってください。 計算結果の正確性について保証するものではありません。
A-DROPとは
A-DROPは、日本呼吸器学会が日本人の市中肺炎(CAP)データに基づいて開発した重症度分類です。 Age(年齢)、Dehydration(脱水)、Respiration(呼吸不全)、Orientation(見当識障害)、Pressure(血圧低下)の 5項目を評価し、軽症・中等症・重症・超重症の4段階に分類します。 成人肺炎診療ガイドライン2017で推奨されており、日本国内での標準的な肺炎重症度評価ツールです。
スコア別の推奨マネジメント
0点(軽症):外来治療。経口抗菌薬で治療可能。
1-2点(中等症):外来または入院。1点は社会的因子を考慮して判断。2点は原則入院。
3点(重症):入院治療が必要。集中治療の適応も検討。
4-5点(超重症):ICU管理。人工呼吸器管理や昇圧剤投与が必要になる可能性。
CURB-65との違い
| 項目 | A-DROP | CURB-65 |
|---|---|---|
| 年齢 | 男≥70 / 女≥75 | ≥65(性差なし) |
| 脱水/腎 | BUN ≥21 | BUN >20 |
| 呼吸 | SpO₂ ≤90% | 呼吸数 ≥30 |
| 意識 | 意識障害 | AMT ≤8 |
| 血圧 | sBP ≤90 | sBP <90 or dBP ≤60 |
A-DROPの主な特徴は、年齢基準に性差があること(日本人の平均寿命差を考慮)と、 呼吸評価に呼吸数ではなくSpO₂を使用する点です。SpO₂はパルスオキシメーターで非侵襲的に測定でき、 呼吸数の目視カウントより客観的です。
注意点
A-DROPは市中肺炎(CAP)に対する重症度分類です。院内肺炎(HAP)や医療介護関連肺炎(NHCAP)には I-ROAD システムを使用してください。
免疫不全患者(HIV、臓器移植後、化学療法中等)では重症度が過小評価される可能性があります。
スコアだけでなく、画像所見(多葉性浸潤影)、基礎疾患、社会的因子も総合的に判断してください。
よくある質問
Q. A-DROPは日本以外でも使われますか?
A-DROPは日本人データに基づいて開発・検証されたスコアで、主に日本国内で使用されています。 国際的にはCURB-65やPSI(Pneumonia Severity Index)が広く使用されています。
Q. SpO₂が測定できない場合は?
動脈血ガス分析でPaO₂ ≤60 Torrの場合、R(呼吸不全)の項目に該当します。 SpO₂もPaO₂もない場合、呼吸数≥30回/分を代替指標として参考にしてください。
関連ツール
参考文献
- 日本呼吸器学会. 成人肺炎診療ガイドライン2017. 日本呼吸器学会, 2017.
- Miyashita N, et al. A new severity scoring system: A-DROP system for community-acquired pneumonia. Intern Med. 2006;45(5):305-309. PMID: 16595999
- Shindo Y, et al. Comparison of severity scoring systems A-DROP and CURB-65 for community-acquired pneumonia. Respirology. 2008;13(5):731-735. PMID: 18713094
- Kohno S, et al. The Japanese Respiratory Society guidelines for management of hospital-acquired pneumonia. Respirology. 2009;14 Suppl 2:S1-S71. PMID: 19857215